【触診のコツ】上手く骨に触れていますか?|Medical Contents
2022.08.01
【触診のコツ】上手く骨に触れていますか?
私達セラピストは学校できっちりと解剖学を学んでから現場に出ます。
だから骨や筋肉の場所や名前は知っていますよね?
では実際に、骨の触診は正しくできているでしょうか?
「そんなの触れるよ~」
こんな風に思われる方もいるかもしれませんが、意外と奥が深く、できていない人がほとんどです。
たとえば胸郭出口症候群では、C6横突起や第1肋骨を触診できる必要がありますが、自信を持ってできるでしょうか?
骨の触診だけでも、けっこう臨床では大きな差となる部分なので、今日は『骨に触れる』ということについて、一緒に考えてみましょう。
どんなセラピストでも一般的な「触れる」という意味では触れているのだと思います。
でも多くの場合、骨を感じ取ろうとして強く押し付けていませんか?
また関節を動かす時に、強くつかみすぎていないでしょうか?
問題は強く触り過ぎている本人が、それに気づくことは難しいということです。
私達にとって触れることは評価であり、そして治療することです。
触れ方によって評価で得られる情報は変わるし、治療の効果も違ってきます。
強く触るだけで、筋緊張が上がったり、疼痛が増強されます。
触れるということは骨の形のイメージを持っている事、そしてピッタリ骨の形に合わせられることです。
上手く触れられると、最小限の力で関節を動かすことが出来るのです。
関節を動かす治療を突き詰めていく過程には
①関節を上手く動かせない、患者さんが良くならない・・・
②関節が動かせるようになった、良くなる患者さんが増えた!
③関節は動いているのに思ったように患者さんが良くならない・・・
④動かしすぎていること、余計な力を加えていたことに気がつく
⑤もう一度丁寧に骨に触れて関節を動かす練習をする・・・
大雑把に言うと、このようなステップがあるのではないかと思います。
ベテランの結果を出している先生方も少しずつ触れることの精度を上げて、今は当たり前になっているのだと思います。
私達も毎日の臨床の中でコツコツ頑張っていきましょう。
最後に明日から出来る2つのコツをお伝えします。
今から紹介する2つは触診ができる人であれば、確実に意識していると思います。
一つ目は「”骨”と思って触れること」です。
私達は筋肉などの軟部組織に触れることに慣れているので骨に触れる感覚は実はあまり養われていません。
柔らかい組織に触れている中で他の組織よりも固い骨を見つけて区別することが出来ているだけです。
最初から「骨」を触れるつもりで触ってみて下さい。きっといつもと違う感覚が得られるはずです。
2つ目は「触りたい骨にピッタリと合わせること」です。
何を合わせるかというと私達セラピストの身体です。
自分が動いて患者さんの触ろうとする部分(骨)に触りやすい場所と向きで触るのです。
プラットフォームの端っこやチェアに座って触りにくそうに手を伸ばしている場合ではありません。
明日から立ち上がり、相手の方に身体を向け、リラックスした状態で触ることを心がけてみましょう!(座ってするときも身体の使い方は大事です)
自分の身体の使い方ひとつで評価の精度、治療の効果は変わってきます。
知識を学ぶことだけが臨床力を高めるのではありません。まだまだ日常の臨床の中で出来ることがあります。
明日も頑張っていきましょう!
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